嬉しい出来事のはなし。
金曜。週一放課後登校の日。
いつも部活が終わり生徒が下校したタイミングで登校する。
今週はテスト前週間なので部活がないと思い早めに登校した。いつものように職員室へ行き、担任いますか〜ってやってたら学年主任がやってきた。
元気?お、今日も制服じゃん。そう言えばこないだ部活で美術館行ったんだって?凄いじゃんと話しかけてくれた後まだ教室にいる担任を呼びに行ってくれた。
担任を待つ間今度は違う先生がやって来る。
この先生、たまにふらっと現れ「ちょっと来て」と親指をクイっとさせると娘や私の意思などお構いなしに理科室へ連行する。
そして理科室へ入るなり「見たいよね、見るよね、見て」と言いながら授業とは関係のない自作の実験を披露してくれると言うとてもユニークと言うか、変わり者の先生なんだけど。
今日は「見せたい自信作溜まってんだよね。今度見せてあげるよ。て言うか最近毎回制服着てんじゃん、フフ」と言いながら娘の制服の襟撫でてた。意味分かんねえし面白い。
「もう少し待ってて。もうすぐ『すみませぇぇぇ〜ん』言いながら◯先生走って来るから」と言ったと同時に荷物抱えた担任がすみませぇぇぇ〜ん言いながら走って来るのが見えた。
な、当たるだろ?言いながら理科の先生は職員室の中へ消えて行ったんだけどなんなんだ…あの独特な世界観。好き。
いつもこんな感じで学校の先生方が娘に声を掛けてくれる。ありがたい事だね。
で、担任が到着するなり興奮気味に「◯ちゃん!今クラスの子達が10人程残ってんだけど◯ちゃんに会いたい、会ってみたいって言ってるんだけどどお?!!!会える???」と言ってきた。
いつもは娘の調子見ながら色々な事を提案してくるんだけど、今日の担任は今このタイミング!頑張れ!と言う気持ちが込められた提案だと言うことがすぐ分かった。その提案に「あ、はい。大丈夫です」と答える娘。
小5位からもう同級生と至近距離で会ったことはない。学校行事で遠くからみんなの姿を見ることはあっても直接会う事を拒絶してきたし、拒否反応が出てた。それが会っても良いって自ら答えるなんてね。
その後クラスの子達と対面。少し距離を取りながらみんなの前に立つ娘は笑顔でどうも…と言っていた。
その時私はと言うと。
影に隠れみんなの様子見てたんだけど、同じ小学校の子達が何人かいて懐かしさのあまりみんなめっちゃ大人になったやん!!とついみんなの前に登場してしまった。
足が不自由な一年間娘を学校まで送迎してたしちょいちょい学校に顔出してたからね、子供達は私の顔を覚えてくれてる。子供達もお!◯の母さんやんけ!久し振り!!と声をかけてくれた。友達か!!と突っ込んだところでその場が和んだと言うか、みんなが娘に久し振りーとかはじめまして!と声をかけ始めてくれた。
そうこうしてる内に他のクラスの子達も通りかかる。あ、◯やん!久し振り!とか、ん?なに転校生?とか話しかけて来た。
離れたところから娘見てたんだけど正直最初はまた精神的におかしくなったらどうしよう…と内心ドキドキしてた。けど途中からもう心配する事はないなと思い始めたんだ。
娘の顔が作り笑いではなく本当の笑顔に見えたから。大丈夫か、大丈夫だな、そろそろ次のステップに行けるかなって。
娘が同級生に会えない理由に今更どんな顔して会えば良いの?みんな反応に困るじゃん?て言うのがあったんだけど、実際会ってみて数年前と変わりなく接してくれる同級生に安堵したんだと思う。
今日は良い経験になりました。みんな自分の事覚えてくれてて嬉しい、涙出そうだねと感想を述べておりました。
クラスで誕生日の子を祝うために給食前にハッピーバースデーを歌うらしいんだけど。娘の誕生日の日。◯いないけどどうする?歌う?歌うから先生動画撮ってよとクラスの子が先生にお願いしたんだって。後日みんなが歌う動画を見せてもらった。それ見た時泣いちゃってねえ、私が。
こうやってクラスの子達が娘の事を気にかけてくれるのは担任のおかげ。先生がいつもさりげなくクラスの子達に娘の存在をアピールしてくれるから。
娘がたまに言う。
「◯◯先生は命の恩人」
◯◯先生が担任じゃなかったら多分学校行けなかったと思う。きっとこのまま家にいて、そのうち大人になって、また死にたいとか言ってたと思う。だから命の恩人。だって。
そのくらい影響力のある魅力的な担任に巡り会えたのは奇跡なんだろね。